ぷれヴぃじおーね

読んだ本の感想や、作ったお料理、スイーツの紹介など、
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『海の底』  人を選ぶけど、リオンは最高に面白かった

評価:
有川 浩
角川グループパブリッシング
¥ 740
(2009-04-25)
Amazonランキング: 512位
Amazonおすすめ度:
番外編が嬉しい

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。


「私、臭いますか」


有川さんと言えば、図書館戦争。
その激甘と本の自由を守るために、組織された架空の軍事組織、図書館隊の検閲狩りとの戦いを描いた大ヒット作で有名な女流作家さんです。

自らライトノベル作家として、大変誇りを持って名乗っている通り、彼女は大人のエンターテインメントの土台として、あえてラノベを選んでいます。

しかし、文庫化では角川文庫でという、大人の事情で出版されることになりました。
うん、手に取ってもらえなければどうしようもないですもんね。

さて、この作品は塩の街、空の中に続く、3部作の最後の作品となります。
物語は全くつながっていませんが、共通するのは、未知との遭遇。

リオンはこの作品を外で読み始め、大変な事に。
いや、それは、どの有川作品でも危険なこと。
ニヤニヤが止まらない……のが通常の有川作品。

でも、この本は自分の体との戦いでした。

気持ち悪い。
でも、ページを早くめくりたい、読みたい。

1日目では容赦なく、人々が襲われます。
凄惨な事態となります。
ショッキングな亡くなり方をします。

でもね、それって、サバンナのど真ん中に人間だけぽつんといたら、同じことだと思うよ。
もしくは、背びれが出てきて、ジャージャンジャージャンとなる、サメのお話でも同じだけど。

現実に突然変異で人間に脅威が襲いかかるのは、絵空事ではありません。
今、現実に目に見えない未知のものが世界中を覆っている事を考えてください。

だからこそ、この物語は詳細に自衛隊広報に取材された結果が反映されています。
有川さんは、女性なので、女性の描き方も定評があります。
特に最近の作品では『レインツリーの国』『阪急電車』でも、十分に堪能させていただきました。

しかし、ここでのヒロイン望ちゃんは、取り残された子供たちの最年長だけど、かなりつらい環境に強いられます。


思春期の女の子のデリケートな気持ちを一見ぶっきらぼうな夏木が実に不器用ながら実に誠実に接していきます。

密室の潜水艦。
周りは天敵だらけ、中も複雑な人間関係の子供たち。
救出の難しい横須賀米軍基地内。
市街地は、ろくな武装も持たずに、身を犠牲にして守る機動隊。
自衛隊派遣を法律論で議論するお役所仕事の間、あまりにも、あまりにも大きい犠牲を支払って、何とかなんとか抑え込む、切れ者の警備担当。

米軍は、秘密裏に空から爆弾で一気にと画策。

米軍にとらわれた人が秘密裏にチャットで情報をリーク。
それを現職警官が見つけてひそかにコンタクトを取り続ける。

某特撮映画を真剣に現存する現代日本で対応したとしたら……。

熱い夏木に、クールな冬原はどこか図書館戦争のあの2人を思い出させます。
でも、内面はそうでもないんだなぁ。

リオンの心に残ったシーンは、冷蔵庫とTVリポーター。
この2つ、すごく胸が熱くなりました。
今でも、泣きながら書いています。

他にも、いっぱい泣けるところがあります。
でも、あえて言いません。
万人向きではないかも知れません。
リオンも、バイオハザードとか苦手です。
でも、それでも、最後まで読みたい。

助けてやりたい、救ってやりたい、ギュッとしてやりたい。
襲ってきた奴からも、彼女の今の心のモヤモヤからも。

文庫版では幻の前夜祭も収録され、はじめて読む方も、以前ハードカバーで読んだ方にもお勧めの1冊です。


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PS,今からクジラの彼を買いに行きます、当然です!!
このためにクジラの彼を読むの待ってたんだから。
海&空の番外編があると知ってから、ずっとずっと我慢してきた一冊なのです!
もう、文庫まで待てないんだからね?
ハードカバーで買っちゃうんだからね?

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